下肢静脈瘤について③

院長の水野です。

今回は下肢静脈瘤の症状についてご説明していきます。

前回の説明で静脈の内側についている「弁」が壊れることで、心臓まで持ち上がった血液が重力に負け、再び足の方に落ちていき足の静脈にどんどん血液が溜まってしまうのが下肢静脈瘤の原因とご説明させていただきました。

では下肢静脈瘤の症状はどのようなものがあるのでしょうか?順番にご説明していきます。

①足の血管がぼこぼこしている

下肢静脈瘤は、時間経過とともに足の表面の静脈に血液が溜まっていき、どんどんと太くなって目立つようになります。特に女性の場合は、スカートが履きにくいなどの美容的な問題で悩まれている方も多いです。

②足がだるい、疲れやすい

逆流防止弁が機能しなくなることで心臓に戻るはずの血液が足に停滞し、血液中の老廃物や疲労物質も蓄積されます。夕方になると足が疲れだるさを感じる方が多いです。長年足のだるさが続くと、当たり前になってしまい下肢静脈瘤の症状と自覚できていないこともあります。

③夜中に足がつる(こむら返り)

下肢静脈瘤が原因で起きるこむら返りは、夜寝ている時に起きることが多いです。足の筋肉に痙攣が起きて固くなり、強い痛みを感じます。

④足がむくみやすい

足に血液が停滞することで、余分な水分が静脈周りにしみ出てむくみが生じます。下肢静脈瘤によるむくみは、くるぶし周辺や足首の後ろ側など膝下に現れるのも特徴です。また足のむくみは心臓病や腎臓病などその他の病気が要因となり起きる場合もあります。ふくらはぎ全体がパンパン、足の甲までむくんでいるといった場合は下肢静脈瘤以外の病気の発見にも繋がります。

⑤足の皮膚が黒ずんだり、かゆみがある

下肢静脈瘤により、足の血流が滞りやすい状態が続くと、足の皮膚そのものにも炎症(うっ滞性皮膚炎)を起こすことがあります。皮膚に色素沈着が起きます。皮膚の血液循環が悪くなることで炎症を起こし、湿疹のように赤みがでます。この状態が進行すると、皮膚が黒ずんで硬くなったり厚くなることもあります。その程度によっては、かゆみや痛みなどの症状が出てきます。本当にひどい場合は潰瘍(かいよう)を形成してなかなか治らないということもあります。

 当院では下肢静脈瘤の日帰り治療を行っております。

 お困りの方はぜひご相談ください。  

 次回は下肢静脈瘤の治療についてご説明させていただきます。