院長の水野です。
本日は誤嚥(ごえん)についてお話します。
①誤嚥とは
食べたり飲んだりしたものが誤って気管に入ってしまうことを「誤嚥」といいます。年齢を重なると飲み込みに関わる筋肉や感覚が衰えて、誤嚥を起こしやすくなります。40歳代になると飲み込む力が衰え始めると言われております。また、脳梗塞やパーキンソン病、認知症の人なども誤嚥のリスクが高くなります。誤嚥すると、食べ物や唾液に含まれる細菌が肺に取り込まれ、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。また大きな食べ物がのどに詰まって窒息することもあります。
②誤嚥や誤嚥性肺炎のサイン
誤嚥すると、むせたり、咳き込むなどの症状が出ます。痰がのどにからみ、ゼロゼロすることもあります。ところが、飲み込んだり、咳き込んだりする筋肉や神経が衰えると、症状が出なくなり、誤嚥に気づかないことがあります。また高齢者では誤嚥しても、熱や咳などの症状が現れにくいこともあります。呼吸が速かったり、元気がないなど、いつもと違う様子があれば、周囲の人が誤嚥性肺炎を疑うことが大切です。
③日常生活の工夫で誤嚥を防ぎましょう
誤嚥を防ぐのに効果的な食事の工夫(表)を紹介します。飲み込む力を鍛えるトレーニング(図)をすることも大事です。誤嚥しても誤嚥性肺炎を起こさないために、毎食後に正しい歯磨きをすることも心がけてください。また肺炎球菌ワクチンを定期的に接種することも大事です。
名古屋市では高齢者肺炎球菌の定期予防接種に加え、独自に定期予防接種の対象年齢に該当しない65歳以上の方にも費用助成を行っています。
- 昭和34年4月1日以前のお生まれの方
- 60歳以上65歳未満で心臓、腎臓、呼吸器の機能障害、HIVによる免疫機能障害があり、その程度が身体障害者手帳1級相当である方
上記1・2のいずれかに該当する場合は、自己負担4,000円で接種を受けることができます。
肺炎球菌ワクチン接種をご希望の方はお問い合わせください。