褥瘡について②

院長の水野です。

本日は褥瘡(じょくそう)の治療についてお話します。

 褥瘡の治療に関しては昔からありました。ただ昔は特に決まった方針もなく医師の慣習的な診療や経験に頼った治療が行われてきました。最近では科学的な根拠に基づく診療の実践が行われるようになってきました。日本褥瘡学会からは右にあげたようなアルゴリズムで治療を行うように公開されております。当院でもそのガイドラインにのっとり治療を行っております。 
 褥瘡の治療は、1)保存的治療(外用薬剤(ぬり薬)や創傷被覆材(ドレッシング材))、2)物理療法、3)外科的治療(手術療法に分けられます。原則としてガイドラインに沿い、適宜アルゴリズムを使用しながら、最も適切であると判断される治療を進めていきます。

 では前回提示した褥瘡の患者様がどのように治っていったか写真をみながら説明します。少しなまなましい画像もありますので閲覧にはご注意ください。

日本褥瘡学会HPより
治療開始1日目、外科的デブリードマン
3日目、外科的デブリードマン+ゲーベン軟膏処置
9日目、外科治療終了、軟膏+ドレッシング材開始
通院は週2回
17日目、軟膏終了、ドレッシング材のみ
32日目、ドレッシング材のみ、通院は週1回に
45日目、治癒、通院終了

上記の経過のように、この患者様はきれいに褥瘡が治りました。

しかしそもそも褥瘡にならないようにすることが最も大事です。

次回は褥瘡の予防についてお話します。