院長の水野です。
5月というのに暑い日々が続いています。 急激な気温変化に体がついていけず体調を崩されている方もいると思います。
本日は熱中症についてお話します。
熱中症とは、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こす病気のことです。 重症度によって、次の3つの段階に分けられます。
I度熱中症(現場での応急処置で対応できる軽症) ① 立ちくらみ(脳への血流が瞬間的に不十分になったことで生じる) ② 筋肉痛、筋肉の硬直(発汗に伴う塩分の不足で生じるこむら返り) ③ 大量の発汗
II度熱中症(病院への搬送を必要とする中等症) 頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感
III度熱中症(入院して集中治療の必要性のある重症) ① 意識障害、けいれん、手足の運動障害 ② 高体温(体に触ると熱い。いわゆる熱射病、重度の日射病)
熱中症といえば、炎天下に長時間いた、真夏の暑いなか運動をしていたといったケースを想像するかもしれません。しかし、実際はこうした典型的な場面ばかりではありません。実は、梅雨の合間に突然気温が上がったなど、身体が暑さになれていない時期にかかりやすい病気でもあります。
具体的には、次のような環境では注意が必要です。 ① 気温が高い、湿度が高い ② 風が弱い、日差しが強い ③ 照り返しが強い ④ 急に暑くなった 家の中でじっとしていても室温や湿度の高さから熱中症にかかることもあるので注意が必要です。
熱中症の予防には以下のことを気をつけましょう
① 暑さをさける 外出時にはなるべく日陰を歩く、帽子や日傘を使うなどで対処しましょう
家の中では、ブラインドやすだれで直射日光を遮る、扇風機やエアコンで室温・湿度を調整するなど気をつけましょう
② 服装を工夫 外からの熱の吸収を抑え、体内の熱をスムーズに逃がす服装が理想的です。素材は、吸収性や通気性の高い綿や麻などがいいでしょう。
インナーを着たほうが肌とインナー、インナーとアウターの間に空気の層ができ、外から熱気を遮断してくれることもあります。
③ こまめな水分補給 暑い日には知らずしらずのうちに汗をかき、体内の水分が失われているもの。のどが渇く前からこまめに水分を補給しましょう。
コーヒーや緑茶などのカフェインが多く含まれている飲み物、アルコール類は利尿作用があるのであまり適しません。
汗をかくと、水分と一緒にミネラルやビタミンも失われます。水分補給だけではなく、ミネラルも補給するようにしましょう。
スポーツ飲料は水分とミネラルを同時に補給できますが、糖分が多いのが欠点なので飲み過ぎには注意が必要です。 ミネラルを補給するには、麦茶などのほうがいいでしょう。
④ 暑さに備えた体作り ウォーキングやランニングなどの運動で汗をかく習慣を身につけることも、大事な予防法の一つです。
日頃から暑さに身体を慣らしておきましょう。
特に高齢者の方は重症化しやすいのでおかしいなと思ったら早めにご相談ください。