院長の水野です。今回は睡眠時無呼吸症候群についてお話します。2回にわけて説明予定で、今回は睡眠時無呼吸症候群の検査と治療についてお話します。
①睡眠時無呼吸症候群の検査
まずは簡易型アプノモニターと呼ばれる装置で検査を行います。この装置では、主に鼻や口での呼吸の状態と血液中の酸素濃度を測定します。自宅での検査が可能なため、スクリーニング検査として広く普及しています。
簡易アプノモニターで睡眠時無呼吸症候群を指摘された場合(1分間で40回以上の無呼吸もしくは低呼吸)、治療が開始されます。そうではなく、簡易検査で確定できない場合はポリソムノグラフィー(PSG)という検査が行われ、呼吸状態や血液中の酸素濃度に加えて脳波や筋電図なども測定し、無呼吸の状態や睡眠の質への影響を調べます。PSGは通常入院で行われており、1泊ないしは2泊の入院が必要です。
1時間あたりの無呼吸と低呼吸の平均回数を無呼吸・低呼吸指数(AHI)といいますが、アプノモニター、PSGではAHIを測定し、睡眠時無呼吸症候群の重症度を判定します。また閉塞性・中枢性の鑑別も併せて行うことによって、それぞれの病状に応じた適切な治療方針を提示することができるようになります。
②睡眠時無呼吸症候群の治療
閉塞性睡眠時無呼吸症候群
まずは生活習慣の改善を促します。ダイエットや飲酒の制限、睡眠薬を使用している場合は減薬や中止を検討します。軽・中等症の場合はマウスピースなどの口腔内装置(OA)を用いて治療を行う場合がありますが、重症の場合は持続陽圧呼吸療法(CPAP)を行うことが多くなります。CPAPは人工呼吸器のような装置で、マスクを装着して持続的に空気圧をかけることによって上気道の閉塞を解除します。
また、空気の通り道を広くするために、鼻やのどの手術を行う場合があり、その場合には耳鼻咽喉科をご紹介いたします。
中枢性睡眠時無呼吸症候群
心機能低下などがあればまずその治療を優先します。それでも無呼吸が残る場合は酸素投与やCPAP、またはより高度な陽圧呼吸療法を行うことがあります。
2回に渡り睡眠時無呼吸症候群についてお話しました。
夜よく眠れず昼間眠いなどの症状でお困りの方ございましたら、お気軽にご相談ください。