下肢静脈瘤について②

院長の水野です。

今回は下肢静脈瘤の原因についてご説明していきます。

身体の中の血管には動脈と静脈があります。

動脈は心臓から足に向かうきれいな血液を送る行き道で、静脈は足から汚れた血液を心臓へ返す帰り道です。

人は立って生活していますので、足の静脈は重力に逆らって上向きに血液が流れています。血液が下向きに流れれないようにするために静脈の内側には「弁」がついており、血液の逆流を防いでいます。

 下肢静脈瘤の患者さんは、さまざまな理由によって、弁が正常に閉じなくなっています。それにより、せっかく心臓まで持ち上がった血液が重力に負け、再び足の方に落ちていき足の静脈にどんどん血液が溜まってしまいます。「逆流防止弁の機能不全」は、一度生じてしまうと、内服薬や日常生活の改善のみで治癒することはほとんどなく、適切な処置を行わなければどんどん悪化していきます。

 静脈内で血液が渋滞(医学用語ではうっ滞といいます)すると、静脈は徐々に太くなっていきます。そして、静脈が太くなると弁が引き伸ばされて、さらに閉じが悪くなります。すると血液の逆流がさらに増え、血液の渋滞がさらに悪化する、という悪循環に陥ってしまうのです。

こうして年月とともに静脈は少しずつ太くなり、ときにはクネクネと曲がるようになり、見た目としても足の表面にある静脈がボコボコと膨らんできます。

下肢静脈瘤では主に足の筋肉の表面側にある大伏在静脈と小伏在静脈(伏在静脈系)の逆流防止弁が機能不全を起こすため、これらの静脈に血液が溜まりやすくなります。

弁が正常に閉じなくなる主な原因には下記のようなものが挙げられますので、ぜひ参考にしてください。

  • 立ち仕事(デスクワーク)
  • 妊娠・出産
  • 遺伝
  • 加齢
  • 肥満
  • 便秘
  • 性別

 当院では下肢静脈瘤の日帰り治療を行っております。

 お困りの方はぜひご相談ください。

 次回は下肢静脈瘤の症状についてご説明させていただきます。